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学部・大学院Academics

修了生インタビュー

奥田 美香さん(三重県立総合医療センター)

専門看護師(CNS)を目指そうと思われたのは、どのような理由からですか?
奥田 美香さん写真
 医療の変化とともに、患者さんが看護に求めるものが変わってきています。患者さんに対する倫理的な課題の高まりや、ご家族に対するケアの重要性などを日常のケアを通し実感していました。患者さんのQOLを高める看護や医師とともに命を救う実践はもちろん重要ですが、患者さんや家族の方を心理面からサポートすること、できれば救急の場面だけではなく、その後も継続して関わることのできる力を身に付けたいという思いがありました。そのためにも学びを深めたい、という気持ちが強くなったことが専門看護師(CNS)を目指した大きな理由です。
また、ちょうど大学院への入学を考え始めた頃、特定看護師制度の創設についての議論が活発化していました。自分のスキルアップを図るためにも、まず専門看護師となり、専門看護師として研鑽を積む中で、特定看護師も視野に入れたいと思ったのがもう一つの理由です。
本学大学院CNSコースを選ばれた理由をお聞かせください。また、入学後の学修について、どのような感想をおもちですか?
 仕事をしながら大学院に通うことができる、というところが一番の魅力でした。講義日定を調整していただき、朝の9時から夜の9時まで勉強、という大変な面もありましたが、その他にも色々と柔軟に対応してもらい、仕事をしながらの身には随分助かりました。
 コースの内容に関しては、1期生なので前との比較はできませんが、高名な先生方が揃っておられて、学問だけではなく、看護師として大切なこと、先生方が肌で感じ、経験されてきたたくさんの貴重なことを教えていただいたな、という実感が強いです。
実習に関して、どこの病院に行くのか不安でしたが、指導教授の藤村先生が紹介してくださった県外の小田原市立病院に行かせていただきました。結果的には、それが大変良かったと思っています。県外に出ると、三重県の看護や医療には三重県の風土が反映されているということがわかります。それは実際に県外の病院に行ってみないとわからないことです。医師や看護師の出身大学の特徴もありますが、他にも地域による患者さんの特徴、ニーズの違いがあります。小田原市立病院のCNSの方や看護師さん達から学ぶというのは、視野を広げるという点で、自分の中でとてもいい経験となりました。その意味からも、自分が実習に行くのであれば、様々な病院に行きたいという思いがあります。家庭を持っている方は大変でしょうが、実習は患者さんを看るだけではなく、様々な看護に触れて視野を広げるということにも意味があるのだと感じました。
2年間の学修を通して、本当に先生方に支えていただき、多くを学ばせていただいたな、という思いが強いです。
大学院修了後、専門看護師認定審査に向けてどのような準備をされましたか?
 専門看護師になるために机にしがみついて、という勉強の仕方はあまりしていなかったと思います。やはり、普段の仕事の中で学ぶことがほとんどです。一番大事なのは、看護の実践。自分の目で患者さんを診て、どのような看護計画を立て、どう実践し、どう評価するか、倫理面はどうかとか。また、地域のケアマネージャーやソーシャルワーカー、訪問看護師など様々な方と関わる中でのコーディネート、重症や救急の患者さんが多いので家族の方と生命に関わる倫理調整など、一つ一つを丁寧に日々の看護の中で行いました。大学院で学んだことを半年間で実践に活かし、それにより自分の経験を蓄える。また、培った知識から自身の実践を客観的に評価する、という形でした。
実際、専門看護師の試験というのは、自分自身を試されるような内容であり、専門看護師としての資質を評価されるような問題だと感じました。知識というよりも、人間性や感性を問われるような問題が多かったように思います。そういうものを育み、自分の言葉でいかに答えるのかという内容がほとんどでした。ですから、自分がやってきた半年間の学習方法は間違っていなかったと思います。
 自分の中で知識や実践が蓄積されていれば答えられる問題ですが、それも2年間、大学院で学ばせていただいたおかげです。藤村先生、杉崎先生には、いつも支えていただきました。本当に感謝しております。
三重県で初めて急性・重症患者看護専門看護師となられたわけですが、その立場や役割について抱負をお聞かせください。
 私の勤務する三重県立総合医療センターは救命救急センターを持つ病院ですので、急性・重症の患者さんがたくさんおられます。患者さんや家族の方に最善かつ質の高い医療や看護を提供するのは絶対です。ただ、それだけで満足するのではなく、患者さんやご家族が辛い環境にいらっしゃる中でも納得のいく医療や看護を受けられる、というところを目指していかなければいけないと思っています。
 命を預かる上で心理面でのサポートや倫理的な調整などを必ず担っていかなければならないものです。臓器提供など、倫理的調整が必要な医療も今後は進んでいくと思います。 急性看護というのは、がん看護と違い、朝、元気に「行ってきます」と言って家を出た人が、突然亡くなりました、という場面も普通にあります。その際の、家族に対する、精神的なフォローというのがまだまだできていないように思います。救急外来では、病院に患者さんと家族が滞在する時間は1時間くらいで、その後一切、そのご家族とは会わないということもあります。患者さんがICUに入室されても、家族が現在の状況を受容できる段階まで時間は待ってくれません。人によっては、それ以降、病院に足を踏み入れられないというようなトラウマを抱えることもあります。在宅看護や地域の専門職と連携して継続的にフォローしていくことを将来的には考えていきたいと思っています。この問題は学会でもテーマになっていましたが、他の分野とつながるため、クリティカルが入口となり、クリティカルが中心としての役割を果たす必要があるのだと思っています。
今後は、身体だけでなく精神的・社会的なサポートを実践していきたいと考えています。もちろん自分一人ではできません。それを実践していくためには、救命救急センターや病棟、外来、他の部門やスタッフと協働して取り組んでいく必要がありますし、他の病院との連携を図ることも考えなければなりません。
 現在は、脳神経外科と神経内科の病棟にいますが、訪問看護師さんやケアマネージャーさん等の力を本当に実感しています。在宅と病院との循環システムの構築も考えていきたいです。
専門看護師を目指す後輩たちへ一言お願いします。
 目指す看護は人それぞれでしょう。認定看護師になったときにも感じましたが、資格を取ることより、問題は資格を取ってからなのだと思います。
自分が何をしたいのか、何をしていくべきなのか、目標を見据えないと専門看護師は目指せない、それでないとなってからが辛いです。専門看護師として何がしたいのか、何を求められているのかを明確にすることが必要です。
専門看護師という仕事は、色々な意味で違う視点を持つことが必要であると考えています。資格取得後も自身の視野を広げ、成長する努力が求められます。
自身が成長することによって、まわりのスタッフも共に変わることができ、看護に対する姿勢にも反映されていくのです。その努力こそが患者さんへのよりよい看護につながるのだと思っています。今後、多くの方が専門看護師を目指されることを願っています。

村瀬 美有紀さん(鈴鹿中央総合病院)

専門看護師(CNS)を目指そうと思われたのは、どのような理由からですか?
村瀬 美有紀さん写真
 救急、重症看護の分野に3年ほど携わっていた中で主任という立場でもありましたし、患者さんやご家族の方のケアを考えた時に、今のままではなくもう一段上の役割、医師との協働であったり、他職種との協働のためにも自分自身に力を付けていかなければならない、つまり、看護師が動かなければ医療の現場は良い方向に動かないのではないか、と感じるようになっていました。
 その際に、急性や重症の専門分野で学びを深めるのか、それとも管理者を目指すコースへ進むのかで迷ったのですが、実践の方に重きをおきながら看護に携わっていきたいという気持ちが強かったこともあり、CNSコースを選びました。
 ちょうどその頃、四日市看護医療大学に大学院ができ、CNSコースもあるということを知って、挑戦してみようと思いました。四日市看護医療大学大学院の話は看護部を通じて持ってこられたのですが、初めは自分の中に迷いもあったんです。けれども、上司の後押しもあり、大学院で専門的に急性・重症看護のケアを学んでみようと決心しました。
 大学院のCNSコースで学ぶことを決めた時に考えていたのは、チーム医療を意識しながら専門看護師としての力を活かし、看護師だけではなく他職種と力を合わせて、それぞれの強みを活かしながら一つの目標に向かって、最善のケアを提供する方法を学ぼう、ということでした。それが実現できれば、患者さんにとってプラスになるのではないか、という思いがあり、そこで専門看護師として力を発揮してみたいと考えました。
本学大学院CNSコースを選ばれた理由をお聞かせください。また、入学後の学修について、どのような感想をおもちですか?
 先ほどもお話しした通り、専門看護師を目指そうと思ったタイミングと、四日市看護医療大学の大学院にCNSコースができるというタイミングがたまたま重なり、そこに上司の後押しや職場の理解、協力が得られたから、というのが第一の理由です。しかも、この大学院では、藤村龍子教授という全国的にも高名な先生の指導が受けられる、ということが決定打となりました。大学院で学ぶというのは、学校を選ぶということよりも、どの教授から指導を受けられるのかが重要なのだと考えていましたので、「あの藤村先生に教えていただけるチャンスだ!」と思い、入学を決めました。
 仕事をしながらの就学でしたので、当初は、長期履修制度を活用し3年間かけて修了するつもりでいました。しかし、藤村先生の強い勧めもあり、また藤村先生や杉崎先生のお力を借りることで、結果的には2年で終えることができました。
 三重県には急性・重症患者看護のCNSがいなかったのですが、実習では、この分野のCNSの方が活躍していらっしゃる小田原市立病院に行くことができ、大変良かったと思っています。CNSの役割を学ぶためにはやはり、実習施設の選定は、大変重要だと考えます。自分自身のモチベーションにも大きく影響します。
 私の場合、大学院での学びを続けるにあたって、何よりも職場環境に恵まれていました。社会人が働きながら学ぶ上で、職場の理解や協力体制はとても重要なポイントとなります。論文作成が思うように進まないとき、勤務を調整していただくなど、上司や後輩には様々な面で随分と協力してもらい、本当に助かりました。
大学院修了後、専門看護師認定審査に向けてどのような準備をされましたか?
 認定試験は、書類審査が9月26日にあり、それをクリアすると11月1日に東京で筆記試験が行われました。9月の書類審査までに実践や調整、コンサルテーションなどの課題について1事例2000字のレポートを5事例分提出しなければならなかったのですが、その作成に半年間を充てました。このレポートは、大学院を修了してからの事例でなくてはいけないというルールがあり、修了後は一つ一つの事例に対し、意図的にかかわり、丁寧にまとめていきました。ICUは入院期間が1週間あるかないかですので、上手く事例が取れる時もあれば取れない時もあり、想像していた以上に大変な作業でした。認定試験を一年見送ろうと考えたときもありましたが、先輩CNSと情報交換をしたり、藤村先生とメールをやりとりし、アドバイスをいただきながら審査に向けての準備をしていきました。
三重県で初めて急性・重症患者看護専門看護師となられたわけですが、その立場や役割について抱負をお聞かせください。
 鈴鹿中央総合病院にも認定看護師はいるのですが、専門看護師となるのは私が初めてです。認定看護師との役割の違いも理解してもらいながら、今後、認定看護師の方たちとどのように協働していくのかが肝心なことなのだと思っています。まずCNSとしての私の存在を知ってもらい、そしてこれからCNSとしてどういうことができるのか、ということをしっかりと練っていかなければならないと思っています。医師や他の分野の方たちとのチーム医療を考えながらやっていきたいと思っていますし、家族の看護、ケアにも取り組んでいきたいとも考えています。患者さんに対しては、ご家族を含めてトータルに関わることで早期の改善が図れるのだと考えていますので、一番良い状態で在宅に戻っていただきたいと思っています。
専門看護師を目指す後輩たちへ一言お願いします。
 専門看護師を目指すのであれば、自分のモチベーションをどこに置くのかが重要です。何のためにCNSになりたいか、レベルアップして何に貢献できるのかを大事にして欲しいと思います。今回の認定審査で共に合格した奥田さんとも話し合っているのですが、三重県初の急性・重症患者看護の専門看護師として私たちが果たすべき役割や行うべき事柄を十分時間をかけて、じっくり相談しながら進めていきたいと思っています。最初から自分たちの力以上のものを引き受けて息切れしないようにしたい、一歩一歩地固めしつつ道を拓いていきたい、そう考えています。その後を若い後輩のみなさんに続いて欲しいと願っています。

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