2006.4〜2006.10
10月6日 東川
『競争か助け合いか』

 給食費を払わない家庭が増えているという報道があった。払えない家庭だけでなく、「(給食を)頼んだ覚えはない」として「払わない」家庭も増加しているそうである。 それではそういう主張をする家庭が、子に弁当を持たせているかというと、そのようなことはない。ここからは「頼んだ覚えはない」という主張は、ただの詭弁に過ぎないことがわかる。
 このような親は、子に社会というものをどのように教えているのであろうか。たぶん、頼れるものは自分だけであり、利用できるものはすべて利用するだけでなく、「だめもと」で、自分の利益を、あくまでがめつく最大限主張すべきだという考えなのであろう。競争や自己責任が重視される風潮の中で、最も現実的で「しっかりした」親なのかもしれぬ。このような家庭に育てば、子も引きこもりにはならずに、あつかましく育つかも知れぬとも、単純に思う。
 皮肉はさておき、このような家庭が増加すると、払えない家庭と混同されて、安易に福祉水準の切り下げを求める声も起こってくる。実はそれが大きな問題である。私には、今日のこの問題は大き過ぎて、率直なところ効果的な解決策が見出せない。 

9月15日 小林
『市議会へ行こう!』

だいたいどこの自治体でも、議会は、条例に基づいて、原則として毎年4回は開かれるはずだ。これを定例会といい、3月・6月・9月・12月に開かれるところが多い。ここ四日市でも、現在、9月定例会が開かれている。
  今日まで行われていた一般質問では、合併特例法の在任特例の適用により現在52人いる議員のうち、実に半数を超える27人の議員が質問に立った。その内容は、公共プールの安全性、世代間交流、学校給食、少子化対策、環境対策、外国人との共生、市立病院、地方行革などなど、実に多岐にわたっている。言葉遣いは難しい場合もあるが、いずれも市民にとって身近なテーマばかりだ。
  どの議員がどのような考えをもっているのか。選挙の時には見えにくいそれぞれの議員の見識や姿勢を知るには、議会傍聴は絶好の機会だ。来週からは常任委員会が始まる。定数が36人に減るため激戦必死の来年4月の統一地方選挙での四日市市議選で、どの候補者に貴重な一票を投じるべきか、その判断材料を得るためにも、お時間のある方は、議会の傍聴に足を運ばれては如何だろうか。
四日市議会(会議日程・放送予定)

9月8日 小谷
『全日本大学対抗テニス王座決定試合 初出場!』

四日市大学体育会硬式テニス部が創部以来の目標であった、東海学生1部リーグで全勝優勝し、全日本大学対抗テニス王座決定試合の出場を決めた。大会は全国の地区予選を勝ち抜いた10大学が日本一を争う大会で10月11日から岐阜県の長良川メモリアルセンターで開催される。大学開設と同時に創部し、当時6名の部員でスタート、91年に5部に昇格、99年に1部に昇格したが04年に2部降格と挫折を経験した。翌年度の目標は、1部復帰ではなく1部優勝と大きな目標を定め、部員全員が力を合わせて優勝を勝ち取った。部員の高校時代の実績は、他大学と比べて実績が無い選手が多いが、テニスに取り組む姿勢は素晴らしい物を持っている。
  7月からは、元全日本チャンピオン、元デ杯選手、日本オリンピック委員会専任コーチである白石正三氏が本学の学生の指導のためコーチとして就任が決まっている。当面は、全日本大学対抗王座決定試合のメンバーを中心に指導を仰ぐこととなる。大会は、11月11日(水)〜15日(日)に岐阜県長良川メモリアルセンターで開催されます。応援の程宜しくお願い致します。

硬式テニス部ホームページ http://www.yokkaichi-u.ac.jp/club/tennis/911日 硬式テニス部監督 小谷雅彦)

8月21日 土屋
『秘境に暮らす』

お盆休みに関西の秘境とも呼ばれる十津川温泉に行ってみた。その温泉のある十津川村は和歌山と三重の二県に接する奈良県の最南端に位置し、人口は約4600人であるが、面積が672.35平方キロメートルと全国一広い村である。関西の2府4県では合併が比較的進まなかったといわれる奈良県。村の数でいえば、12村は全国で5番目の多さだ。
  村のホームページをみてみると自然環境を生かした「心身再生の郷」づくりを掲げ、「日本で唯一の世界遺産の道を走るマラソン」など、厳しい財政状況を克服すべく、集客に努力していることが伺える。昨年10月には第1回源泉かけ流し温泉サミットでかけ流し宣言なるものをし、世界遺産となった熊野古道や日本一長い谷瀬の吊橋の人気もあってか、村は思ったよりにぎわっていた。
  ただ、今回、往路は奈良県から、復路は和歌山県を経由したのだが、どちらも恐ろしいほどの深い山道を長時間くねくねと走り続けなければならなかった(和歌山県側の方が道の整備が進んでいたが)。そのせいか母の強い(なかば強引な)要望で訪れたかけ流しの温泉だったが、その母曰く「一度、来てみたかったけど、二度と来なくていいわ」である。
  自然環境を生かした郷、かけ流しの温泉がある秘境でありつづけることと、観光地としての集客を考えたアクセス整備。自立の道を選んだ村を支える難しさを感じた。

7月7日 神保
『ビフォーアフター…そして、これからも』

 私事ですが、6月30日をもちまして、四日市大学地域政策研究所を離れることになりました。この間、たくさんの皆様にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
 思い起こせば、4年前の私は、自分の仕事のこと、自分の家族のことなど、とにかく自分のことだけを考えて生きていたように思えます。また、そのことになんら疑いを持つことなく毎日を過ごしていました。
 しかしこの4年間、四日市大学地域政策研究所の研究員として、地域社会を支えているたくさんの皆様とお仕事をさせていただいたことで、いかに多くの人のおかげで、自分自身の生活が成り立っているのかに気づきました。そして、微力ではあるものの自分にも地域社会のために役立つことができることに気づきました。このことは、今後の私の人生を有意義なものとするに違いないと思っています。
 すでに7月から、もとの職場に勤務していますが、これからも地域社会に関心をもち続け、少しでも役立つように関わりあいながら、生活をしていこうと考えています。もしも、自分のことしか考えていない4年前の自分に戻りそうになったその時には、四日市大学へ足を運ぶに違いありません。なぜなら、その場所には、これから先もずっと地域のことを考え、地域のために働いている人がいるからです。

6月16日 東川
『公害から郊外へ』

 企業にとっては技術の伝承という「2007年問題」を引き起こしつつ、700万人に及ぶ団塊の世代が退職し、一斉に地域に帰って来る。
 今後の少子・高齢化、人口減少の進展の厳しさが叫ばれる中で、地域の抱える課題を解決する担い手として彼らに期待される役割は大きい。というのも、少子化が一向に改善されず、ますます進行している現在、現在の子供が働き出す、少なくとも20年後までの労働力の総量はすでに決定してしまっている。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入するまでの人口の面での「収支」は決定してしまっているわけだ。
  団塊の世代が担った高度経済成長はその一方で公害問題を引き起こした。彼らが集中的に住んでいる郊外都市の急速な高齢化が新たな「郊外問題」とならぬよう、これを地域活性化の好機としたい。  

6月2日 小林
『協働の名の下に』
 協働。英語のcollaboration(コラボレーション)の訳語として定着してきた言葉。意味としては、様々な立場の人が力を合わせて一緒に何かをすることというようなことになるであろうか。
 コラボレーションといえば、異なるアーティスト同士が刺激しあって新たな境地の音楽が産み出されたり、異なる業種の会社が手を組むことでこれまでなかった斬新な商品が開発されたりといった、お互いの良い部分を活かしながら、新たな世界を切り拓く、そんなイメージがある。
 近年は、役所が「協働」を提唱することも多い。今まで役所だけでやって来た仕事を行うのに、異なる立場の民間の人にも加わって貰い一緒にやっていきましょうというのは、たしかに協働っぽい。
 だが、役所の言う「協働」には、これまで役所の責任でやってきた仕事を、やり方を見直さないままに、市民団体や民間企業に押し付けるという含意がある場合も多かった。単にやる人が変わるだけだったら、仮にそれで多少経費が安くなったとしても、そこからは何も新たなモノは生まれてこない。
 各地の「行革」には、そんな見かけ上のコスト削減だけで、中身に踏み込んでないケースもしばしば見られる。民間の柔軟な知恵と役所の緻密な知識とのコラボレーションで、そこから全く新しい行政サービスのあり方を見出していく。そういう意気込みが欲しいところだ。
 みなさんのお住まいの自治体はどうだろう。もし「協働」と言っていたら、それが、本当のコラボレーションなのか、それとも見せ掛けだけの誤魔化しなのか、しっかり見定めていただきたいものだ。  
5月19日 渡辺
通勤電車にて』

名古屋から四日市までの通勤に近鉄電車を利用する毎日です。早朝の電車内は大げさにいえば乗車率120%というくらいの混み具合ですが、車窓に映る景色を眺めていれば、混んだ車内で過ごす30分の時間も短いと感じるほど快適です。
  そのなかで、ふと気づいたことがありました。耳にする車内の会話のアクセントとイントネーションについてです。出発間近の車内では「名古屋弁」とよばれる特徴的なアクセントとイントネーションでの会話が飛び交っているのですが、木曽川、長良川と越えるうちに、それが少しずつ「関西弁」に変わっていくのです。
  愛知県と三重県は隣県でありながら、木曽三川という大きな川があることによって流通や人の行き来が妨げられたせいか、言葉や文化に大きな違いがあるようです。
 名古屋に生まれ育った私にとっては聞きなれない言葉もありましたが、決して違和感を覚えることなどなく、そのアクセント、イントネーションは共に親しみやすささえ感じます。コミュニケーションをとりやすいという印象もあり、新しい職場環境に飛び込んだ私にとって少しずつ心の扉が開かれる気がする思いの毎日でもあります。

4月28日 東川
『2007年問題から2022年問題へ』

 いわゆる「団塊の世代」の大量退職による、技術等の伝承問題が「2007年問題」として指摘されている。生まれてこの方、その人数の多さから、常に大きな影響を社会に与えてきた団塊の世代であるが、2007年の後はどのような「問題」を引き起こしてくれるのであろうか。
 すぐに考えられるのは「2012年問題」である。団塊の世代が年金を受給し始めるということから、これは主に財政の問題である。そして「2022年問題」。団塊の世代は75歳以上の後期高齢者となり始め、要介護率もその上昇の度合いを早める。これは財政のみならず、地域の問題でもある。
 冒頭の「2007年問題」は、実は団塊の世代が地域に大量に帰ってくるという「好機」でもある。この機会を活かすことで、続く「2012年」、「2022年問題」を乗り切る方策としたい。

4月3日 大久保
『ワンセグ』
 「ワンセグって何?」と周りから聞かれた人も多いだろう。4月1日より地上デジタル放送を個人の携帯電話などで見ることのできるサービスが29の都道府県で始まった。
「ワンセグ」とは「1セグメント」の略で、地上デジタル放送の1チャンネルが13本の周波数帯域に分けられており、そのうちの1本だけを使用するので「ワンセグ」と言うことらしい。
今のところワンセグに対応している携帯電話機種が限られているが、機種の買い替えと受信可能地域の拡大によって利用者は徐々に増えていくに違いない。取りあえずは携帯電話の新機種に敏感な20代から30代の若者向きサービスといったところか。
 ところで「ワンセグ」というネーミングから「シュウカツ(就職活動)」といった若者コトバだなぁ・・・と感じた人は立派なおじさんとおばさん。新しい商品の購買層・利用層をどこまで広げられるか、「知らなくて恥ずかしい」と思う年代をどこまで巻き込めるか、という部分を企業も考えていけば(十分考えているでしょうが)売り上げもアップすることでしょう。